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変態ですけど、何か?

第12章 再会と出会い

約束の時間に駅に到着すると、勇太君は先に来て待っていた。

「ごめんね、お待たせ」

手を振る勇太君に駆け寄りながら、あたしは言った。

「走らなくてもいいよ。オレも今来たところ」

勇太君があたしをエスコートして、タクシー乗り場に向かう。

「どこへ行くの?」

「ビストロ○○○。あそこなら、気楽だし、その服でも大丈夫だから。それに、個室もあるし」

テレビでも時々紹介される、予約の取れない店の名前を出した。

「よく、予約取れたね?」

「まあね。親父の七光さ」
勇太君は、自嘲気味に言った。

店の前の行列を無視して店内に入ると、紺のワンピースに白いエプロンを着けた、かわいらしい店員が小走りでやってきた。

「黒田様、お待ちしておりました」

あたしたちは、最大級の営業スマイルで迎えられ、個室に案内された。

普通の女の子なら、ちょっと気後れするようなもてなしだけど、
昔、秋野玲子に色々な高級店に連れられて行ったあたしは、特に緊張も感動もしない。

フレンチのコース料理を堪能しながら、
勇太君は、饒舌に話した。

中学に入ってから、勉強に追い付けなくて苦労したことや、
あたしと別れてからの女性遍歴に至るまで。

「けっこう楽しくやってきたんだね」

「まあね。親父の金のお陰でね。里帆は、どうなの?しがないOLとか言いながら、けっこう羽振りよくやってるみたいだけど」

「そんなことないよ。会社のお給料で、細々と生きてるわ」
あたしは答えた。

もちろん、それに嘘はない。
たまの贅沢も、独身のOLにとっては、それほどムリなことではないし、
男は見栄っ張りだから、割り勘なんてまずあり得ないし。

だから、玲子からもらったお金には、全く手をつけずにいる。

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