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変態ですけど、何か?

第10章 レクイエム

玲子とのお別れが出来たことで、

あたしの気持ちも、少しは整理がついたようだった。
それでも、何をする気力も湧かないことには変わりはなかった。

パパとの関係も途絶えたままだった。



音楽の玲子先生から電話があったのは、4月に入ってすぐの、入学式の日だった。
二年生になるあたしにも、担任を持たない玲子先生にも、特に関係はないけれど。


「元気にしてるの?」

「は、はい。」
あたしは答えた。

昨年末に玲子が姿を消してから、先生の自宅を訪ねたのは1~2度で、それ以外は授業で顔を合わせる程度だった。

玲子と玲子先生。2人と付き合っていたときは、
毎週末、時間を調整してまで、どちらにも逢おうとして頭を悩ませていたのに・・・。

理由は、自分でもよくわからない。

立花玲子と秋野玲子。
どちらを愛してるのかとわれても、
どちらも同じくらい愛してる、
としか答えられない。

だから、
秋野玲子に逢えなくなったときは、
玲子先生に逢うことに罪悪感をを覚えたのかな?


それはさておき、

「久しぶりに、逢わない?
うちの近くの土手がね、今、ちょうど桜が満開なのよね。
観光に来るような場所じゃないけど、
ゆっくりお花見するには良いところよ」

桜かあ・・・。

そんなこと、気にも留めてなかったな。


「玲子先生、一緒にお花見したいです。
明日でも伺って良いですか?」

あたしが言うと、

「もし、予定がなければ、今から来ない?
ゆっくり夜桜を観て、
春休みなんだから泊まって帰れば良いよ」
と、玲子先生が誘う。

「良いんですか、お泊まり」

「もちろんよ」

あたしは、パパに連絡して今日の外泊を伝えた。

『良いよ、ゆっくり気分転換しておいで』

パパは、あたしの変化にホッとしたのか、
快諾してくれた。

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