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となりのにぃに

第17章 卒業

寒っ 手がかじかんできた。



自販機まで早く…



考えていると、声をかけられた。




「お前、風邪ひきたいの?」


「中村くん! ハックションっ」


「お前アレ? 3月だから春だし! とか言う奴?」





はい、図星ですよ?




「中村くんは何してるの? こんなとこで?」



「俺は犬の散歩だよ、ほら」



中村くんの目線の先を見れば、可愛い柴犬がいた。




「可愛いーー! 飼ってるの?」



「まぁな、 ムースっていうんだよ」



中村くんは「寒い、寒い」と言いながら、自販機に向い、コーヒーとコーンポタージュを押した。



「ほらよ」 コーンポタージュを投げられて、戸惑いながらポケットを探る。



「金はいらねぇし。 どうせいくらもないんだろ?」




はい、図星ですよ! でもコーンポタージュ代くらいはあります!




「払うし!」


「いらねぇ」


「なんで?」



金払うくらいなら、俺の犬の相手してくれねぇ?




「えーと… ムースちゃんだっけ? おいでー?」



「一応、男」


「あ、ごめん!」




でも、ムースくんは私の膝にめちゃくちゃ甘えてくる。




「可愛いー! 人懐っこいね!」


「おい! お前、相手見て選んでるだろ! このエロ犬!!」
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