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レズビアン科学者・紅音と7人のクローン

第1章 1号誕生!!

『今夜から、天気は下り坂です。
明日は全国的に雨で、局地的に雷をともない、激しく雨が降る地域もあるでしょう…』

…とテレビは、明日の天気を伝えているが、それを聞いている者はいない…。

この家の主にとって、明日の天気など、どうでもいい。

それよりも…

今…

今が、何よりも重要だった…。


「フフフ…☆
もうすぐ…
もうすぐ、生まれるのね…ッ☆」
と、白衣を着た女性が、興奮を抑えきれない、不気味な笑い声をあげる…。

彼女の名は、湊川 紅音 (みなとがわ あかね)。

日本でも…いや、世界的にも、一応、名の知られた科学者である―。


ここは、紅音の自宅兼研究所…。

今、彼女の前には、高さ3メートルはある、卵のような形をした機械がある。

その、機械の卵は
グォォォン… グォォォン…
と、低く、規則正しく、唸り声のような音をたてている…。

紅音は、その機械の前に立ち、『何かが生まれる』のを、心待ちにしている…。


やがて…

グォン… グォン… グォン…

と、機械の卵の音が変化した…。

同時に、機械の卵が、小刻みに揺れ始めた…。


グォングォングォン…

と、またしても、機械の音が変化した。

同時に、卵の揺れも、大きくなっていく…。

紅音の表情も、歓喜をおびていく…。

いや、歓喜というよりも、『狂喜』の方が適切かもしれない…。


そして…

外で、雷鳴が轟いた―!!

と同時に、機械の卵も…

大量の蒸気を噴きながら…

卵が上下に割れた―!!


割れた卵の中から…

紅音と…

全く同じ顔…

同じ姿をした、全裸の女性が―!?


「やったぁぁぁッ☆
成功だわぁぁぁッ☆」

両腕を突き上げ、小躍りしながら狂喜する紅音…。

「当然よ☆
私を誰だと思っているのよ?」
と、卵から出てきた、紅音そっくりの女性が、狂喜している紅音にツッこむ。

「それにしても…」
と、紅音そっくりの女性は、自分の体を見て
「まさか、こんなにも上手くいくとは思わなかったわ…。」
と、驚いていた。

「天才科学者である私にかかれば、人間のクローンを作ることなど、造作もないことよ☆」
と、紅音はドヤ顔をした―。

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