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無人島行ってみた話

第10章 いざ、港へ

ここでもう一泊はキツいぞ。

キツいって、後から考えたら結構、余裕で生き抜いているんだが、甘い日常を過ごしていた我々二人、キャンプと違って経験浅い自給自足のサバイバルは過酷に思えた。

本当に何にも無い真夏の島で、水も飲めない、知恵も浮かばない……いや、前日の体力のままで冷静になりゃ、いろいろ策あると思うんよ。おそらく今でいう熱中症になりかけてたんだと思う。

思考も働かないから、ここにいることが辛くなったんだろな。

真由美さんに言わせれば、その調子なら一週間は生きていけるくらいだとのこと。

生きてはいけるだろうが、頭がついてかないのよ。

冷たいアイスコーヒーをキュッと飲みたい。

そう思ったら、よけいにここにはいたくなくなる。

港に行ったら、すぐ飲めるんだよ。例えばこれがガチだったら、こんなこと思ってないだろうね。転覆した船から流れついて、周りには海だけでなにも見えない、ただの無人島の上にいるだけなら。

港が見えてるから、あそこまで行けばアイスコーヒー飲めるもん。

イカダを作ることにしました。

まさか、人生でガチのイカダを作るのは初めてだ。自分達が好きでここに来たのに、脱出しようとして作ってんだから、アホでっせ。

材料はたっぷりある。

ブイもあれば、発泡スチロールもある。木材も、ビニール紐も流れてきている。

これは、作らにゃいかんでしょ。いや、そうでもないか。

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