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まこな★マギカ
第6章 第四ノニ章
喫茶店の通りを大久保方面に向かって真っ直ぐに歩くと、花道通りと呼ばれる歌舞伎町の中でも比較的広い通りに突き当たる。その突き当りを右に曲がって、俺達は花道通りを歩いた。そしてその通りにもやはり普段と変わらない景色が広がっていて、なんだか妙にほっとした。
それにしても、あれは夢でも無くて、現実でも無い――となると、いったい何だったのだろうか、と先程の出来事が頭をもたげた。けれども、考えてみたところでそれに対しての答えなどどこにも見当たらない。
だから、それについては考えるのをやめて、店に着いたら何を食おうか、とその事について考える事にした。何しろカナメに起こされてから、あれからなぜか急激に腹が減っていたのだ。
はっ、まさか……。と、そこで、又してもあの時のまこなの言葉が頭をもたげる。そう言えば、あいつ、俺のエネルギーをいただくとかなんとか言ってなかったっけ――もしかすると、それが関係してるのか?
いやいやいや、あれは、おそらく、日頃のストレスか何かのせいで見た単なる幻だったのだ。現実では無かったのだ、そう自分に言い聞かせて、俺はカナメに声をかけた。「なあ、ナメナメよ――」
カナメは俺のニ、三歩前を歩いていた。「なんすか、うきうきさん――って、人をまるで妖怪みたいな名前で呼ぶなよ! 俺はくんにジャンキーかよ!」カナメが振り向いてこたえる。
「いや、そこまで言ってねぇけど……。でも、舐めるの好きだろカナメって?」
「いや、まあそりゃあ好きっすけど。でも、そんな妖怪並にとまではいかないっすよ」
「じゃあどんぐらい舐めてんだよ、いつも?」
「いや、そりゃあ、平均でだいたい四、五十分程度っすかね。まあ、長くてもせいぜい一時間とか」
「おい、そりゃあ舐め過ぎだろ……。もはや入れてる時間よりも長いだろうがよ!」
「え、何言ってすか」カナメは真顔でこたえる。それからあっけらかんと言った。「もちろん入れてますよ、そん時も」
「なななな、なんだって! 舐めながら入れてるだと……!?」俺は愕然とする。「それは、もはや妖怪の所業だろうがよ!」
「え、みんなやってんじゃないっすか、そんぐらい」カナメは又してもあっけらかんとこたえた。
すかさず俺は言った。「や、やるかよ! AV男優だってやってねーよ、そんな世にも奇妙な技!!」
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