
仔犬のすてっぷ
第16章 潜入!ボーイズ・バー
「そしてさらに奥・・・そこからは、コアなお客様たちへの空間になってるわ。2階に上がるわよ?」
え?に、2階にもまだあるんだ?
このお店…スペースだけなら、うちのパチンコ屋より広いかもしれない・・・(汗)
「・・・ココが、特別室・・・・・・」
エレベーターから降りると、そこには下よりも豪華なカーペットが敷かれたフロアが現れた。
下のフロアから比べれば半分くらいの広さだけど、中央の広いスペースには円卓があり、そこに6つのリクライニングチェアが並び、変わった雰囲気を出している。
さらに、正面に3つ、左右にそれぞれ2つ木製のドアがある。
それぞれに色が違う表札が掛かっていて、右から赤、青、緑、黄、ピンク、白、金と並ぶ。
「このパターンは・・・戦隊モノのカラー?」
「・・・ある意味、間違っちゃいないな。だけど、そのまんま戦隊ヒーローが出てくる訳じゃない。
けど、代わりに・・・」
「やあ、お帰り、蒼空。今日は大変だったみたいだね」
…不意に、僕等の背後から声がする。
優しく、意志のつよそうな、そんな声。
僕はこの声に聞き覚えがあった。
・・・・・・この、声は・・・。
振り返ると、そこには
「え?・・・あ、ア△ラン・ザラぁ?!」
あの赤い制服をびしりと着込んだ、アニメからそのまんま飛び出してきた彼がそこに居た。
思わず一歩後退りしながら声をあげてしまう。
「良いリアクションだね。君の為にこの姿で出迎えた甲斐があったよ」
笑顔のつくり方、身の構え方までがそのままアニメキャラそのもので、僕は驚きを隠せない。
「ア△ランっ!貴様ぁ!そんな客人の迎え方があるかぁ!!」
バァン!と、けたたましくドアを開け、びくうっ!と体を跳び上がらせた僕の前に、銀色の髪で、同じ赤い制服を着たキャラクタが現れてア△ランの胸ぐらをわっし!と掴んだ。
「い…イ▽ーク・ジュールぅ?!」
こ、ココは・・・ザフト軍のサロンか何かなんですか?
(大汗っ!)
