
仔犬のすてっぷ
第16章 潜入!ボーイズ・バー
・・・・・・。
・・・え、え〜…っと(汗)
(うわ〜…こ、これが、僕?!)
化粧され、白い髪のウィッグを被り、鏡の前に立った僕は自分の姿を見て息を飲んだ。
褐色の肌に化粧され、
“やれやれ、これじゃあコントの国人さんだよ”
なんて、半ば呆れ気味にされるがまま、化粧を施されたんだけど・・・
鏡の中にいる人は、紛れも無い、あのキャラだ。
「ろ…ロラ○・セアック・・・だよね?」
「・・・おお?!化けたなあ。そっくりじゃんか」
腕を組み、うんうんと何かに納得した蒼空が大きく2回、頷いた。
「そ、そういう君は・・・何?それ(汗)」
緑のタンクトップシャツに、紺色の短パン、ボサボサな髪・・・
「声で分かるだろ?ヒイ□・ユイだ」
・・・・・・・・・え〜…っと(大汗っ)
こみ上げてくるものをぐっ、と抑えながら、僕は話を続けた。
「ほっ…他に…い、ないの…?その……声の…が、ガンダ▲キャラ……」
「いない。少なくとも、俺は知らない」
蒼空の背後から、ア△ランとイ▽ークがソロリソロリと近づいてきて、彼の左右からぱぱっと何かを持たせ、被せる。
♪み〜ん、みんみんみんみんみいぃ〜〜…
窓の外で、タイミングよくミンミンゼミが鳴きだしてさらに雰囲気を盛り上げる。
麦わら帽子を被せられ、虫籠を、肩から袈裟懸けにかけ、右手に虫あみを握る蒼空・・・。
・・・・・・ぷっ!
限界を迎えた僕はついに吹き出してしまった。
「あ〜っはははははははははぁっ!」
「あははははははははぁ〜あ〜く、くるひ……」
「ひゃはははははっ、さ、サイコーだぜ蒼空あ!あははははっ!!」
3人で、腹を抱えて大爆笑してしまった。
「わっ…笑うなよっ!似合ってないのは俺だって分かってんだからよっ!!」
麦わら帽子と虫籠と虫あみを床に叩きつけ、蒼空が赤面しながら喚く。
「い、いやぁ〜…確かに姿形はヒイ□なんだけどさぁ〜…はははっ…で、デカいんだよ、蒼空が」
「子供がそのままデカくなって、そこにいるって感じがたまらん!あははははぁ!」
「・・・・・・蒼空…」
王子様が、蒼空の肩を優しくぽむっ☆と叩くと
「立派なとっつあん坊やだよ、素晴らしい☆」
蒼空の背景がベタ塗り一色に染まった・・・(笑)
