
仔犬のすてっぷ
第16章 潜入!ボーイズ・バー
「優希は、とりあえずお絞り配ったり、注文された物を運んだりする位で良いだろ?」
上下デニムの劇場版スタイルに変えたヒイ□蒼空が、簡単に仕事の流れの説明をする。
「今日は見習いのカードぶら下げるから、お客様も理解してくれるだろうし、ココ(2階)に来るお客様はここのルールを熟知してるから、何も心配は要らないさ」
ア△ランアキラが僕の肩を軽く叩き、優しく笑顔で説明してくれた。
「なんなら、手料理が出来るって聞いてるから、お客様の前で何か作って食べさせるってのも悪くないな。ロラ○・セアック手作りのオムライスなんて出されたら、ファンなら泣いて喜ぶぞ?」
イ▽ーク潤が、ニヤリと笑いながら語る。
・・・なにそれ?それ、僕が食べたい(笑)
「今日は君のための特別デーでもあるし、ここの皆が君をフォローするから大丈夫。大船に乗った気持ちでいてください」
カ▼ル・カリームが本物顔負けの笑顔で僕の肩を軽く叩いた。
「そういうこった。だから、優希は役になりきってこの場を乗り切る事だけ考えな」
「本物のヒイ□なら、安心なんですけど蒼空だから…彼だけ泥舟なんで、気をつけた方がいいですが」
「…違い無い!」
3人のガンダ▲キャラがアハハハと笑う中、ヒイ□蒼空だけがムスッとしながら呟いた。
「…悪かったな。どうせ俺は・・・」
「僕は、蒼空君を1番信用しています。だから、色々教えて下さい」
僕はキャラクターになりきって、丁寧語で蒼空に頭を下げた。
「・・・お、お、おお!」
一瞬、彼には本物のロラ○・セアックが頭を下げたように見えたのだろうか?ちょっぴり間を開けて空いた口をしっかり閉じたヒイ□蒼空が、真面目な顔で答える。
「・・・任務、了解」
