テキストサイズ

仔犬のすてっぷ

第18章 来訪者たち



「私、昔から男の子より女の子が好きになっちゃう・・・変な体質で。
中学の時、先輩に手解きされてからずっと……
高校も、女子校に通って…途中までは、それでいいって本気で思ってた。
 三年生の時、本気で好きだった同級生が…ある日彼氏を連れてきて、別れを切り出されて・・・
誰も好きになりたく無いって、恋愛はもう、しないって…本気で思った。
 だけど、専門学校で優くんに出逢った時…
笑顔を見た時・・・物凄くときめいちゃって。
 友達として付き合うようになってから、優くんが男の子だって分かっても、その気持ちは変わらなかった。
 いつも優しくて、気楽に話せて、気遣ってくれる。でも、しっかり自分の意見は言うし、間違った時は注意もしてくれて。
《この人なら、きっと私の事、解ってくれる》
…自分勝手だけど、私はそう感じたの。
・・・だから、あの時、水族館で。
勇気を出して…お付き合いを申し込んだの」


僕の腕が痛くなるくらい、ぎゅ〜っと強く腕を締めて……


奈緒ちゃんは、僕の眼をじっと見つめた。




「私だって・・・優くんが、好き!」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ