
仔犬のすてっぷ
第4章 攻防戦?!
「…美味いか?」
・・・ごっくん。
・・・・・・・・・・・・え"?!
「……よお☆
アンタのスプーンを咥える顔、たまんないねぇ♡」
ええええええぇええぇえぇぇーーーっ?!
そ、蒼空あぁ?!
何故、今、ここにいる?!
て、言うか、いつの間にぃ?!
「な?上手くいったろ?」
「あははっ☆優ちゃんかわいい♫」
風見蒼空 & 吉垣淡海ペア、
決まった〜!金メダルゥ〜〜っ!!
ワアアァ〜〜…!
茶碗を持って高々と掲げる淡海ちゃんと、スプーンを高々と掲げる蒼空が、沢山の歓声と紙吹雪に祝福されながら、謎の金メダルを首に下げて、讃えられている……ようなビジョンが、一瞬頭を過ぎる。
「え?!なんで?!神奈川に帰ったんじゃ………???」
「確かに実家は神奈川だけどよぉ、仕事は名古屋でやってんだって。
あれ?言って無かったか?」
………そ、そういえば……
直接は聞かなかったケド、歩美さんが蒼空を迎えに来るのに、電話から15分とかかって無かった…気がする。
ぼ、僕の早とちりだな、コレは。
「ウチの店からここまで、バイクでも10分くらいだぜ?栄の錦にあるからさ」
そ、そ、そんなに近かったの?!
あの、別れの寂しさ……
感じた僕が、馬鹿みたいじゃん!!
「ま、そんな訳でさ」
蒼空は、ニッコリと爽やかな笑顔で僕に言った。
「これからも、よろしく、な?」
