
仔犬のすてっぷ
第36章 36章 これから先は・・・
「「…あ…ああっ?!」」
「よう✩お二人さん。仲良く不順性行為してるかい?」
ニンマリと笑ってソコにいたのは、あのトーマスさんだった。
「と、トーマスさんっ?!」
「おっ…おっちゃんだったんか?!声が…全然違……」
「このくらいの声色、使うのは朝飯前なのであります☆」
トーマスさんはそう言うと、無線機のマイクをひっつかんで
「こちら3号車。保護対象者が自身のアパートに立ち寄って欲しいと要望したので本官達はこのまま向かいます」
『…了解した。保護者達のアパートにも警戒態勢は取られているのは判っているな?速やかに用を済ませてもらい、本部まで送り届けろ』
「了解しました・・・って、訳だ」
あは,あはははは・・・(苦笑)
流石に今の流れでトーマスさんが警官に変装してくるっていうのは予測できなかったな…。
「まあ、なんだ……霧矢にしては行動が遅かったからな。
…外部……つまり奴の仲間が手助けしに来るのを、待っていた可能性がある。
そうなると、お前らヒヨッコ二人では太刀打ち出来ないだろうからな。
わざわざこうして変装してまで迎えに来たって話なんだよ……しかし…。」
トーマスさんは深いため息を着きながら、バックミラー越しに僕らを交互に見つめ
「しかし、ホンットに、お前等無防備なのな。
もし、俺が霧矢の息がかかった刺客だったらどうするつもりだったんだよ?」
「…いや、だってよぉ…警官にあんなふうにエスコートされちまったら簡単には断れないじゃんか。下手に拒否ればさらにややこしくなっちまいそうだしさ〜…」
ややふてくされ気味になりながら蒼空がこぼすように答えると、トーマスさんはニヤニヤしながら返してきた。
「なんだぁ?急に良い子ちゃんになっちまって、らしくねえな。
そういうときこそいつものお前さんみたいに図々しく乗り切れば良いんだよ。
…ま、俺が迎えに来たこの後はこっちの指示に従ってもらわなきゃ困るがね」
正直、今は警察よりもこの人の方が頼りになるし信用も出来るから安心したけど……。
蒼空は兎も角、僕は警察の人たちに図々しく出来るようなハートは持ち合わせてないから(汗)
