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絶対的下僕の末路

第5章 【死んでも私の下僕よ、土下座しなさい】






こういう男ほどプライド高くてドMにはなれないんだよ。
ベットの上では独りよがりで満足には程遠い。
高速ピストンだけは健在でイかせたなど後でほざくタイプだ。




全然気持ち良くないんだよ、早く終わらせたかっただけ。
支配出来たと喜んで主導権を握る。
そんな馬鹿を何人ヤリ捨てしてきただろうか。
もう遊ぶほど性欲余ってないんだよね。




「ごめん、身体余ってないわ」




「だから今のカレ、飽きたらで良いってば」




「飽きる頃には私お婆ちゃんかもね」




「うわ………綺麗なお婆ちゃんなんだろうね」




この無駄なラリーをどうにかしたい。
すると、後ろからノートを丸めて男の頭を小突く人が。
振り返ると講師で
「研究中に女の子を口説くのは見過ごせないな」と注意してくれた。




何で二人で頭下げなきゃならないの。
集中してって言ったでしょ。
注目されて喜んでんじゃないわよ。
他のグループだった真帆も呆れてる。




「葉山、集中出来ないなら俺と組むか?」なんて言ってくださっている講師も、以前関係を持った生田准教授だったりして。
本当、馬鹿なのは私か。




あれから准教授とは何もないけど、こうして何かと気にかけてくれているのは充分伝わってくる。
誰にも言わない約束を守り抜いているからかな。
バレたところでお互いデメリットしかないからね。




未だ独身を貫いてらっしゃるけども、時々目が合うと瞳の奥で優しく微笑んでくれている気がするのは私の思い過ごしなのか。




今後また…なんて有り得ない話だが。
たまにふと思う時があるよ。
きっとまだ……私の事好きですよね?って。
それは応えることも出来ないし何かアクションを起こす事もない。




ちょっぴり切ない大人の別れを演出したりして相手の理性を保たせているの。
ま、向こうはどう思っているのかなんてもうどうでもいいし私の自意識過剰かも知れないし。
とりあえず適切な距離感で卒業に向かって歩いていくのみだ。




卒業式には、
「素敵な思い出ありがとう」くらいは言ってみようかな。
それまで赴任されてると良いけど。









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