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死神さんは春になく

第1章 勿忘草図書館の死神さん

優しい風纏う
花弁おどる小さな箱庭
死神さんはいつもみている
物語に触れた人たちの感情を
しずかに降る雨音のような
繊細な感情さえも
死神さんはいつもみている
|陽色《ひいろ》につつまれた紅茶の
おだやかな感情を



やさしい音がする

かなしい音がする



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