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腐れた世界を生き抜けろ

第43章 9月16日



ねぇ

悲しいよ苦しいよ


気づいてよ

それは私じゃない
私は此処に居るよ



「違うよ私は君だよ
皆の思う皆の見てる必要とされるてる方の君」




じゃあ、必要とされなくなった私は?


このまま消えて居なくなるの?



幾ら手をのばしても届かない
たった一筋の光


私じゃない私と笑顔で話す貴方




あぁ

貴方が幸せに笑って居るならば
必要とされない私は貴方の為に
喜んで消えましょう




ただ

貴方が誉めてくれたこの声で
最後に私からの囁かな贈り物を送ります


『さようなら』

さようならもう一人の私










最後に流した涙は
夜空に消えて
雨を降らす













満月の綺麗な夜
月を包むような雲の下
涙のような雨と共に微かに聞こえる
切なくも優しい歌とメッセージ






その日一人の少女が消えた

消えた事を知る者は


雨の中
空を見上げる一人の少女
「さようなら」



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