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黒蜥蜴──テレビドラマとヌードモデル──

第2章 裸で撮影です


ヨガ教室のことを思い出しているうちに、私を含めて4人いる女性のエキストラの出番となった。

「人間剥製」のテストだ。

といっても、まだ裸にはなる必要はない。体のアウトランがわかりさえすればいいのだから、
制作スタッフからはTシャツやタンクトップと短パンを推奨されていた。

しかし、そこはヌードモデルだ。
4人とも上半身には何も身につけていない。乳房が美しく見えるかを確認しないわけにはいかないからだ。

そんな格好で一人ずつポーズを決めていくのだが、なかなかの難問だった。

前向きの立ちポーズ限定という条件しかないうえに、実際の画面ではいろいろな邪魔物で胸や下腹部を隠すことになるから、ヌードモデルの[定型ポーズ]が使えない。

さらに、何も隠さない全裸をバックから撮るのだから、後ろから見ても美しいポーズにしようと鶴の一声があり、さらにハードルが上がった。

なんだかんだと、私(剥製A)のポーズは『ゴム跳び遊びのワンカットみたいに左足を曲げて右足で立ち、手はスカートをおさえるように体側に添える』に決まった。

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