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和真「麻衣香…」

麻衣香「私はあの人に、毎晩のように抱かれ
違う名前で呼ばれ続けたんです」

和真「それは…」

麻衣香「知ってましたよね、知ってたのに
あの人には逆らえないから見て見ぬふりを
した」

和真「…」

麻衣香「すごく辛かった、辛くて苦しくて
屈辱的で、私がそんな辛い思いしてたのに
部屋に戻れなんてよく言えますね…」

和真「麻衣香」

麻衣香「結局みんな自分の事ばっかり…」

和真「ごめん、謝るから…」

麻衣香「どんなに謝られても私は戻りません
絶対に…」

和真「麻衣香行かないでくれ、頼むから」

麻衣香「…」

和真「麻衣香、麻衣香…」

麻衣香「…っ」


消え入るような声、すがりつくような声で
何度も麻衣香の名前を呼ぶ和真
だけど麻衣香は一度も
振り返らず…


麻衣香「…！！」


この家から、鬼崎家から出て行った


麻衣香「…」

北川「麻衣香様！？」

麻衣香「…北川さん…」

北川「遅くなり申し訳ありません、車の準備が
出来ましたので、こちらです」

麻衣香「…」

北川「麻衣香様？」

麻衣香「えっ、あぁごめん、行こう…」

北川「…はいっ…」

麻衣香「…」


和真との事
期待してる自分がいた

始まりはあんな始まりだったが和真とは
体以上の関係があると思ってた

だけどやっぱり和真は鬼崎健一の血を引く
子供で自分とは相容れない


麻衣香「…っ」


結局、結ばれぬ運命だった…