扉を開けて AN
第9章 嘘の理由
「ニノちゃ・・」
「ごめん、明日から自分で行くから」
そう言うなり、
ニノちゃんはチャリから飛び降りて
家の中へ走って行ってしまった
その様子ではやっぱり捻挫は治ってるみたいだ
それは喜ばしいことのはずなのに
俺は大きなため息を吐くことしか出来ない
てゆーか、嘘吐かれた身としては
怒っても良いと思うんだけど
そんな気にもなれない
ニノちゃん、俺はただ、
どうしてこんな嘘を吐いたのか
ニノちゃんの口から説明してほしい
ずっとずっと前から変わらず
一番近くに居たつもりのニノちゃんの気持ち
最近の俺は全然わかってあげられないことばかりだ
ニノちゃん、俺 ニノちゃんの本当の気持ちが知りたい
教えてよ、ニノちゃんは 今 何を考えてるの?