扉を開けて AN
第2章 初めての恋
2-1
始まりは保育園に入る前
それまでの俺は 超がつく引っ込み思案で
どこに行っても 他の子とは馴染めずに
隅っこで膝を抱え 自分の世界に籠るような子供だった
でも、まーくんの入園に合わせて近所に引っ越してきた
相葉家が 家族全員で挨拶に来てくれた時
広い世界への扉がバーンと開かれた気がした
まーくんがキラキラした瞳で俺に笑いかけてくれた時
爽やかな風が吹いたみたいに
緑の草の匂いがしたんだ
「ねぇ、いっしょにあそぼ」
「うん、なにしてあそぶ?」
後から聞いたんだけど 普段のまーくんは超がつく人見知りで
初対面の子供に話しかけるなんて 初めての事だったんだって
だから、出逢って数秒でそんな会話をした俺たちを
両方の親が目を丸くして見てたらしい