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扉を開けて AN

第22章 冷たい水の中



身体がどんどん冷たくなるのを感じる
俺はこのまま沈み続けて 二度と浮上できないのかな
でも、それでもいいか

はるか上の方にゆらゆら見える水面は
明るいけれど眩しすぎない
俺を置き去りにする楽し気な風景も
その輪郭を朧気にしか見せなくて 俺を傷つけることは無いから

この透明なシールドを通してなら 
ぼんやりとした翔ちゃん達の姿を 見つめる事も出来そうだ

そう考えると 俺はもうずっとここに居てもいいかな、って
その方が楽だな、って そう思うんだ




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