
扉を開けて AN
第23章 誕生日プレゼント
「大野くんって 歌上手なんだね、知らなかった」
「あ、うん。かなり上手いよね。あ、カンナも上手かったなぁ、驚いたよ」
「私なんて全然だよ。でも、大野君が上手だったから私まで上手に聞こえたのかもね」
その日の帰り
カンナを駅まで送りがてら並んで歩く道で
カンナはさっきからやたら智くんを褒めちぎる
「今までじっくり見た事無かったけど大野君の指ってすごく綺麗だね」
「話し方も穏やかって言うか優しいよね、
あんまり目立つタイプじゃないけどモテるんだろうなぁ」
・・・繰り返すけど、別にカンナが他の男と仲良くしたり
他の男の事を褒めたりすることにいちいち嫉妬心を煽られたりすることは無い
けど、その相手が智くんだって言うなら話は別だ
知らん顔をするわけにはいかない
