
イラクサの棘
第26章 トメラレナイ
通じ合えるってこんなにも
幸福感が込み上げてくるもんなんだな。
みつめあう2人の熱が高まりだしそうになりながら
キスをした瞬間
松岡先輩の邪魔な電話がかかってきた。
「さあ、出かける用意するか!
松岡先輩、待たせるとうるさいからな。」
「うん、翔さん…あのね」
「…ん?」
「……………な。俺、顔洗ってくる」
小さく耳元で囁くと
ベッドから出て洗面所へと走って行ってしまった。
翔さん、貴方に抱かれる夜が待ち遠しいな
それは
まるで天使の甘い囁きに聞こえた
完全にノックアウトなセリフだぜ。
だったら
潤との初夜に手抜きはできねぇな。
サクッと港町近くのいい宿探しだして
ささっと予約手配をしておく。
