イラクサの棘
第35章 朝のヒカリ
ただ違っているのは
10代の頃の姿をしたあの絵のみずみずしい
印象的な人物とは違って
窓際に立つ潤の身体中には
昨夜、俺と濃密に愛し合った痕が色濃く残り
それを隠すこともせず佇む姿
その全身からは零れ落ちる色香を放っている。
「…ぁ、翔さん、おはよ…」
振り返って微笑む潤
艶めく唇が、俺の名前を紡ぐ。
まばゆい光の中
あまりに美しい潤に見惚れて
直ぐに返事をすることができずにいた。
※ ※ ※
潤side
一夜で何もかもがが変わってしまった。
そんな都合の良い話なんて
ドラマの中や、
絵本の中の作り話の世界だと思ってた。
「…翔っ、先にシャワー浴びたい」
「後にしろ。
どうせまた、汚れるだろ」
「…ぁん…やっ…でも、腹減ってる…ぅん」
「飯はもう支度できてるよ
裸のままで窓際に立ってた潤が悪いんだ。
朝から俺のこと悩殺しやがって
潤、もっと腰落として尻突き出せよ。」
「ゃぁん…翔っ…ぁう、」
静かに扉がひらいて翔さんの気配がした
挨拶したのに返事がなくて振り返ってみると
無言のまま立ち尽くす姿。
疑問は首を傾げる仕草になりつぎの瞬間
背後から抱きしめられていた。
「おまえってやつは…」
「翔さん?どうしたの?
なにか怒ってる…んんっんふっ…はぁ」
噛み付くようなキス
翔さんの唇に激しく襲い掛かられる。
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