
刑事とJK
第14章 浅見龍一
キス…された
無理矢理…
あんな強引に…
酷いよ…こんなの…
斉藤に会いたい
斉藤に…
でもあたし、このことしゃべれない
しゃべれるわけがない…
ゆうひは膝を抱えて泣いた
♪~♪~♪~
ゆうひの携帯が鳴る
ゆうひは携帯を手に取った
『…斉藤///』
どうしよう、ばれないようにしなきゃ…
ゆうひは深呼吸して電話に出た
『…もしもし?』
《よ、なぁ何だよさっきの奴は?》
『えっと…学校の人なんだけど、あたしもよく知らないんだ。今日初めて話し掛けられて…』
平常心、平常心…
《そうなのか…初めてのくせにやけに馴れ馴れしい奴だな、ムカついた》
『ふふっ』
《ぁあ?何笑ってんだよ》
『斉藤もあたしと初めて会ったとき充分馴れ馴れしかったよ?』
《おい、あんな奴と一緒にすんなって!!》
『だってほんとの事だし…』
―――――――
「おい、なんかあったのか?」
ゆうひの言葉がよく濁ることに斉藤は気がついた
《別に…何も?》
「そうか…なら、いいけど…」
―――――――
『なんか、心配かけてごめん…』
《安心しろ、お前なんか心配なんてなーんもしちゃいねーよ》
ははははと斉藤の笑い声が聞こえる
『うん…ありがとう』
―――――――
「えっ…、あ…、おう…」
絶対に
うっさいわ!!
とか
ほんとムカつく!!
とか言ってくると思ってたから、まさか"ありがとう"が返ってくるとは思わなかった
《じゃあね、また明日》
「ん、じゃあな」
プツン―――――――
斉藤の声聞いたら安心した…
ゆうひは携帯を握りしめた
