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刑事とJK

第26章 副担任

次の日





「あれ、今日は斉藤先生いないの?」


「ほんとだ…ショックー」



朝のホームルームが終わってからみんながざわめき始める



ゆうひとしては、少し安心した




当の斉藤先生はというと、職員室でゆっくりコーヒーを飲んでいた


斉藤は、今日は聞き込み調査に専念するつもりだ








「おはようございます」


「あ、おはようございます斉藤先生。」



授業の入っていない他の教師と雑談をする



「どうですか、この学校は?もう慣れましたか?」


「生徒もいい子ばっかりっすね、…あのー、聞きたいことがあるんすけど…」











―――――――――――








疑わしいのは、こいつとこいつ…か…



斉藤は自分のノートに[草壁][湯井]と、二人の人物名を書いた




今日一日、いろんな人に井淵についての話を聞いた


その内容と、聞いた本人の反応から、自分なりに怪しい二人を選んだ




草壁は理科全般の教師で、暗そうなイメージのある男だった

井淵の話をしても大した反応が無く、いや、反応が無さ過ぎて、斉藤の気に引っ掛かった




湯井は社会の教師で、オシャレな男だった(オレが嫌いなタイプだ)


井淵については、絶賛していた。きれいだ、美しいだ、と。








―――――――――――



その日も学校が終わり、生徒たちが帰ってから、斉藤は音楽室へ行った


「井淵先生」



「あ、斉藤先生…」


井淵は暗い顔をした


「どうかしたんすか?」


「また…私の靴箱に物が入れられていました…」



「どんな?」



井淵はそっと斉藤に見せた


井淵が写ったたくさんの盗撮写真


「……」


「私に一体どうしろと言うんでしょうかね…」


井淵は俯いて苦笑した

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