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刑事とJK

第31章 体育祭



緊張する…



ゆうひと斉藤は並ぶ


他のペアも、その横に並ぶ




すると斉藤はトントントントンと、一定の速さでゆうひの肩を叩き始めた



『…わかった///』


ゆうひもその速さに合わせ、斉藤の肩を指でトントントントンと叩いた



〈位置についてー…〉



トントントントン…



〈よーい…〉



トントントントン…




パンッ



ゆうひと斉藤の足は、予想以上にスムーズに動いた


他のペアが「せーの」と息を合わせる手間もかからず



ゆうひはまるでひとりで走っているくらい身が軽く感じた













テープを二人で切り、切った瞬間コケた



「いってー!!!」


紐が引っ張れて足首が痛い



痛いが、ゆうひは笑えてきた


『ふふっ、はははっ///』



「何笑ってんだよ!?こんなにいてぇのに…お前、まさかM…」

『違うっつの!!』



ゆうひは斉藤を叩いて、足が痛くないくらいの位置まで斉藤に寄った


『だって、ははっ、一位だし、コケたし、ははははっ///』



「ほんとに…大丈夫か?頭打ったのか?」



斉藤はゆうひの頭を触った


『打ってねー、ふふっ、あんたテープ切った瞬間止まんないでよぉ』


「あ…わりぃ…」



『ふふふっ、もうダメ、ほんとウケるっ』




二人三脚なのに、本当にひとりで走ってるような気分だった


ひとりで走ってる気分なのに、ひとりで走るよりも楽しくて、嬉しくて、気持ち良くって…


このままずっと一緒に走っていたいと思ったから、ゆうひはテープを切った後も足を止めなかった



そのせいでコケたわけだけど…


こんな感覚は本当に初めてだった




『合わせてくれたんだよね、ふふっ、ありがとう///』



「合わせて、ねぇよ」



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