
刑事とJK
第32章 肝試し
斉藤は声のする方へ進んで行った
慎重に足を運ぶ
何かが啜り泣く声は次第に大きくなる…
この茂みの中だな…
斉藤は草を掻き分け、声の正体を確かめた
「っお前…!!」
斉藤は驚いた
泣いていたのはシゲだったのだ
「せ、先輩~!!」
シゲは斉藤に抱き着いた
「おいやめろ、お前に抱き着かれても、気分悪いだけだ」
斉藤はシゲを引き離した
「ところで、お前こんなとこで何してんだ?」
「聞いて下さいよ!!
僕のいとこが高校生なんすけど、その付き添いで来たらはぐれちゃったんすよ~!!」
「シゲ、昨日は体育祭いたのか?」
「昨日は仕事してましたから、行きませんでした…そういう先輩は?」
「オレはゆうひの保護者代わりで来た」
シゲはなるほどという顔をした
「来て損した」
斉藤はもと来た道を戻った
「待って下さいよ~先輩~!!」
斉藤はさっきゆうひと別れたところに帰ってきた
しかしゆうひの姿はない
「あれ…?ゆうひ?」
斉藤は辺りをぐるっと探し回った
それでもゆうひは見つからない
「ゆうひちゃん、いないじゃないっすか?」
「…はぐれた」
斉藤は、やっぱり後悔した
