
刑事とJK
第38章 村上
「…あんたの姉さんは…オレの先輩だった」
「姉の、後輩…?」
「え…じゃあ、村上さんのお姉さんが、先輩の先輩…!!?
でも、僕見たことないですよ…?」
斉藤はシゲに目配せした
その斉藤の表情を読み取って、シゲは首を引っ込めた
「それなら、刑事さんは弥生のことをよく知ってるのね」
飛鳥は顔を傾けた
「一年ちょいの付き合いだったけどな…」
「何年も前に、死んだって聞いたわ…」
「え…」
「……」
飛鳥はしゃべり出した
「もともと、両親は早くに死んだから
子供のころから二人で生きてきたわ
でも、高校からはお互い別々の人生を歩んだ…」
どこを見るでもなく、飛鳥の目はぼんやりと地面を眺めていた
「弥生と会わなくなってから、一度だけ手紙が来たの。
刑事になったっていうね
でも、それからは音信不通。
最後に届いた知らせは死にましたーっていうね」
「……そうか…」
斉藤はため息まじりで答えた
「なに、あんたがそんなに落ち込んでんのよ
そんなに弥生のこと慕ってたの?」
「…そうだな」
「え…///」
その時見せた斉藤の表情はどこか遠くを見ていて
飛鳥はそれに魅せられた
「とりあえず…
命は無駄にすんな。
終わり」
斉藤は膝をポンっと叩き、立ち上がった
「待って…」
斉藤は振り向いた
「弥生の話…聞かせて」
「…ああ、わかった」
斉藤はもう一度イスに座った
シゲも話を聞くことにした
