
刑事とJK
第43章 船上の殺人事件
「だ、誰だいあなたはっ…」
トイメーカー横田は斉藤を睨みつける
続けて松井株式会社も
「横入りはずるいんじゃないか?」
と文句をぶつける
斉藤はフンッと無視して、片手をゆうひの手に、もう片方の手をゆうひの腰に置いた
『…///』
ゆうひも右手を斉藤の腰に添えた
「話を聞いてるんですか!?」
トイメーカー横田は斉藤の腕を乱暴に掴んだ
「横入りも何も、こいつはもともとオレの女なんで」
ぎゃわわわわ~!!///
斉藤、そんなこと言ったらあたし照れるからー!!///
斉藤のきっぱりとした言い草に、トイメーカー横田もたじろぐ
「っくそ…」
トイメーカーと株式会社はその場を離れた
『さ、斉藤?』
「あ?」
『あたし、踊れないよっ…///』
「…みたいだな」
ゆうひの足元はヨタヨタよろよろ
自分の足で引っ掛かりそうにもなっている
「リードすっから、力抜いとけ」
ゆうひは言われたように、力を抜いた
すると、斉藤の腕が優しくゆうひを引っ張る
ゆっくりした音楽に合わせてステップを踏むが、何のぎこちなさもない
斉藤の動きは、すんなりゆうひに溶け込んでいった
「…できんじゃねぇか」
『あたしは全然…
斉藤の誘導が上手なんだよ…///』
「素直に体に入るお前もすげえよ」
『…///』
目が合った
辺りは暗い…ついついそれをいいことに、顔を近づける
唇が触れかけたその時―――
「危ない!!!」
その叫び声のすぐ後で
悲鳴が聞こえる
「っなんだ…!?」
会場全体がざわめきだす
「ひ、人が倒れてる…!!」
その声に、斉藤は反応した
…しまった――――!!!
斉藤は人混みを掻き分け、人が倒れたというところへ急いだ
「ふ、藤野!!!」
藤野は腕を押さえながら、地面に座り込んでいた
その手の間からは、血…
