
刑事とJK
第62章 二人の始まり
『で、話って何?』
「え、ああ…」
斉藤は何となく、スーツについた砂埃を払った
えへんっごほんっと適当に咳ばらいし
きっちりゆうひの前に向き直った
「…ゆうひ」
『ん?』
「……」
『何?』
「や、やっぱ何でもねぇ!!」
『はああ?』
斉藤は頭を掻いた
「…あのよ」
『うん』
「今まで、ありがとな」
『何か、お別れみたい』
「…そうか?」
『うん』
斉藤は困った顔をした
どう話を切り出したらいいかわからないのだ
「じゃあ…」
そう言うと、斉藤は上を向いた
手を後ろに組み、思い切り息を吸った
「斉藤正貴はー!!!
丹羽ゆうひをー!!!
愛してるー!!!!!」
『やっかましい…///』
ゆうひも上を向いた
『丹羽ゆうひもー!!!
斉藤正貴をー!!!
愛してるうー!!!!!』
斉藤はゆうひを見た
ゆうひは笑い返す
「公園の中心で愛を叫ぶ?(笑)」
『うんっ』
『「好きだああああーー!!!!!!』」
ゆうひはお腹を押さえた
『あー、傷口に響くー…』
「無理すんなよ?」
『でもスッキリした』
「じゃあ、…聞いとけ」
斉藤は自分の胸元をトントンと叩いた
