
刑事とJK
第11章 伝えられない想い
「斉藤、あなた仕事ほっぽりだして遊んでる場合じゃないでしょ?
戻りなさい」
斉藤は渋々帰って行った
わざと軽くゆうひにぶつかって
「ゆうひちゃん、久しぶりね。今日はどうしたの?」
津森は笑顔でゆうひに話し掛けた
『えと…斉藤に、いろいろ言っておきたくて…
ありがとうとか…』
「好き、とか?」
ゆうひは目を真ん丸にさせた
「ふふっ、ダメよゆうひちゃん。斉藤はあたしのものよ?
あなた、彼のことむかつくだけって言ってたじゃない」
『あれは…前のことで…』
「言い訳しないで
それに、あたしたちもうキスは済ませたわよ?」
『…ぇ』
その言葉はゆうひに重くのしかかった
キス…
しちゃったんだ…
斉藤と津森さん――――
斉藤は…津森さんのこと好きなんだ…
「あ、あたしも仕事の途中だったわ
じゃあね、ゆうひちゃん」
ゆうひはその場にしゃがみ込んだ
手で口を押さえ、声を殺して涙を流した
