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タイマー仕掛けのヌードモデル

第1章 ヌードモデル、アニメを視る

あのさぁ。彼女持ちというのを友人が知っているのは普通だとしても、
それがヌードモデルだという個人情報まで開示してるのか、この男は?
……まあ、いいけど。

アニメは、絵画制作の実景を忠実に再現していた。
興味本意とか、誇張しているということもない。
ほとんど無音の画面。真剣な入試の雰囲気。

プロのオーラを漂わせた若い女性が登場した。
独特の白い服。美術モデルだ。

“ヌードモデルである恋人が仕事をしている現場”を見たことがない私の彼が、画面に見入っている。

私以外の女の裸を見ることになるんだけど──芸術だから許そう。

白布を敷いたモデル台のサイズも正確だし、するりと脱げるようになっているモデル着も本格的だった。

試験開始の鐘。
さっと全裸になったモデルはピタリと立ちポーズを決めた。
ポージングについては事前に打ち合わせしていたのだろう。

あっ、髪止めもリアル。

女性らしい長い髪も好まれるけど、人体の見本としてしっかり観察されるためには、うなじを見せるために髪をまとめるのよね。

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