三匹の悪魔と従者たち
第1章 我儘サタン
日出処の───────…ではなく。
何千年前か何万年前からか……とにかく、ここはこの世界の創始より、日の光など入った試しのない悪魔たちの巣窟。
荒れた赤褐色の岩場の隙間にはところどころ熱い湯が噴き出し、花や木はおろか草の一本も生えていない。
はるか頭上には空などは見えず、ここの地面と同じく切り立った岩が突き出し、巨大な洞窟といった様相を醸し出していた。
偉大なる大魔王サタンは、この日、自分の三人の息子たち、つまり王子を千尋の谷底にある魔界の王の間に集めていた。
性格は極悪にして非道、人の生き血をすする悪食であり、サバトなどと云われる乱交を好む色情魔──────それらの権化である彼らのはずなのだが。