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🌹密会🌹

第8章 🌹December🌹


クリスマスソングにイルミネーション。
いつもよりも少しお洒落な格好をしたカップル達が華やかになった街中を行き交う姿が増えるこの季節。

恋人が居れば、心躍るロマンティックな季節だったのかもしれないが、残念ながら私には居ない。

クリスマスだからと、期間限定の恋人を作ったり、友人を呼んで大々的なパーティを開いたり、そういった非日常を無理矢理作り出せば楽しいのかもしれないけど、思い出作りに固執する学生のようで、何だか嫌だった。


せいぜい、自分へのご褒美にとクリスマスプレゼントを買って、年末年始をどう過ごすか考えるだけの、つまらない12月を過ごす。
そう思っていたのに、黎一さんからの電話1つで私の12月は大きく一変した。


“予定が空いていればクリスマスに旅行に行かないか?場所はハウステンボス。ホテルヨーロッパで1泊2日。どうだ?“


てっきりセックスの日を決めるだけかと思っていたのに、まさかの旅行の提案。
思わず上擦ってしまった声で「な、何の冗談ですか?」と尋ねると、
「冗談ではなく本気だが....。嫌か?」と彼のやや不機嫌そうな声が返ってくる。


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