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艶的日本昔話

第1章 浦島太郎

 浦島太郎は、そろそろ故郷が恋しくなってきた。

「もう帰りたいんだけど」

 それを聞いた乙姫は驚き、手にしていた徳利を落としてしまった。

「そう……ですか……」

 乙姫は下を向いたまま押し黙ってしまった。

 太郎はこの気まずさを何とかしようと、わざとふざけた口調で言った。

「そうだ、姫と過ごした思い出に、一度くらいは寝所を共にしたかったな。ははは、もちろん冗談だけど……」

 乙姫の両肩がぴくんと動いた。ゆっくりと顔を上げて、太郎を見つめた。

「……え?」

 姫の真剣な眼差しをまともに受けた太郎は、口元に笑いを貼り付けたまま、間の抜けた声を出した。

「私も実は同じ事を考えた事があります……」

 姫は急に目を伏せ、頬を赤らめた。

「ですが、あまりにはしたない事ですし、私の勝手な思い込みであったならと、口に出す事が憚られました。でも、今そうではない事が分かりました……」

 姫は立ち上がり、太郎の手を取った。

「どうぞ、私の寝所へ……」

 太郎は姫に手をとられるままに従いつつも、言ってみるものだと、急な展開にも係わらず、気持ちを昂ぶらせていた。

 やがて、大きな扉の前に着いた。姫自ら扉を開けた。

 広い室内の真ん中ほどに畳が六畳ほど敷かれ、その上に純白の夜具が用意されていた。

 姫は扉を閉め、内側からしっかりと鍵を掛けた。そして、するすると衣擦れの心地良い音を立てながら、太郎に背を向けたままで、着ている物を脱いで行った。

 すっかりと脱ぎ終わると、姫の肌は透き通るほどに白かった。

 滑らかな背中と、それに続く腰の括れから豊かに広がる丸いお尻が美しい。

 振り返った姫の乳房は手の平にすっと収まりそうに小さい。だが、濃い桃色の二つの蕾がすでに硬く突き出している。

 姫のおんなは艶やかに濡れ光って、太郎を待っているようだ。

 姫は太郎の目に全てを晒しながら、ゆっくりと先に夜具の中へと入った。

「さ、太郎様も……」

 掛け布団で口元まで覆い、くぐもった小さな声で姫は言った。

 太郎は大慌てで着物を脱ぎ捨て、猛るおとこも剥き出しに掛け布団に手を掛けた。

「太郎様、私、あなたの子を産み、この竜宮城の跡継ぎにしたい……」

「そりゃ、嬉しい事だ。では、早速!」

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