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デーモンハント

第6章 発見

近付いたエルザを見て、仮面の悪魔は両手を上げる。
まるで降伏でもするかのようなその行動に、エルザは顔をしかめた。

「少し話し合おう、君達に興味があるんだ」

仮面の悪魔が言う。

「あー、俺の記憶を見ましたか」

ソレルが言って、少し残念そうに息を吐く。
エルザは片手を横に伸ばし、ソレルに鎌を催促した。
ソレルはそれに気付いて、エルザの手に鎌を呼び出す。

鎌を握りしめ、エルザは悪魔を睨み付けた。

「アンタと話しているほど、アタシは暇じゃないの」

声を低くして、エルザが言う。
すると悪魔はにっと笑ってエルザを見つめる。

「知りたくない?ソレルさんの正体を」

ソレルの正体と聞いて、エルザの眉がぴくりと動く。

「正体?何いってるの?」

思わず聞いてしまう。
考えてみたら、自分はソレルのことをあまり知らない。
そう感じて、エルザの目から戦意が消える。

「止めてください、恥ずかしいじゃないですか」

ソレルが口を尖らせて悪魔に文句を言ったのを見た悪魔は、にやにやと笑いながらソレルを見た。

「随分余裕だね、正体を知られたら問題なのでは?」

悪魔に聞かれ、ソレルは腕を組む。

「別に、問題って程では……ちょっとは気まずいですが」

特に焦った様子も無いソレルの言葉に、エルザは振り向き、ソレルを見つめる。

「ソレル……隠している事があるなら貴方の口から言って」

エルザに言われ、ソレルは困ったような表情になった。
そして悪魔の方に控えめに舌を出して見せた後、エルザの方に向く。

「俺、実は純粋な悪魔じゃ無いんです」

それを聞いて、エルザは「は?」と気の抜けた声を漏らす。
ソレルが言っていることの意味を理解できなかった。

「俺、悪魔の父と、天使の母の間に生まれた混血なんですよ」

それを聞いたエルザはぽかんと口を開けたまま、ソレルを見つめる。

「混ざりものだから、実際は人間との契約なんて出来ないし、性交での魔力補給なんて必要無いんだよねぇ。だって、天使の血のおかげで、魔力は常に回復しているんだから」

仮面の悪魔がけらけらと笑いながら言った。

「契約が、できない?」

エルザが呟く。

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