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ほしとたいようの診察室

第9章 ひとときの外出



深く息を吐き出すような声だった。


ずっと欲しかった言葉は、耳にすれば現実とは思えなくて。



震えるわたしの手を、ゆっくりさする。
触れられた部分から、雪崩のように流れ込む優しさがある。


もう、触れられても怖くなかった。



「伝えていいのか、迷っていたんだよ。……もう、子どもに見えなくて」



困ったように笑う陽太先生の顔を、ようやく見ることができた。




「ずっと好いていてくれて、ありがとう」




陽太先生はわたしの視線を捕まえてから、そう言った。





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