シャイニーストッキング
第14章 もつれるストッキング3 常務取締役大原浩一
87 秘書 松下律子(15)
そう…
なぜか心が、そんな彼、青山一也に対して警戒警報を鳴らしていたのである。
別にさほどタイプというわけではないのであるが…
ただ、目の前にして感じてくる彼の清潔感と、その元彼との共通点が、軽々しさを上回ってきているのかもしれない。
あともうひとつ…
わたしはこの前まで日本の政界、経済界の魑魅魍魎といえる様な存在達が跋扈している銀座のクラブでホステスとして働いていて、そんな精力的な男達に対しての免疫力は十分にある筈なのであるが…
この彼の様な若々しい野心家との免疫力が無い、いや、無かったといえるのだ。
せいぜい、彼、大原浩一という存在が、最近では唯一の若さといえたのである…
だから、こうした不惑さを感じているのかもしれない。
あ…
あと…
若い野心家という魅力も、今のわたしの心を惹きつけてきているのかもしれない。
だから、弱いお酒を迂闊には飲めないのだ…
「ええ、飲まないんですかぁ?」
と、彼は残念そうに言ってくる。
「ええ、常務が戻るまでは酔う訳にはいかないし…
それに、万が一ほろ酔いになってしまって青山さんに口説かれないようにもしないとね」
だから、わたしは敢えて、ストレートにそう答えたのだ。
「え、あ、それは複雑だなぁ」
そう、なぜかわたしの深層が、彼を無下にはできないみたい…
それだけ秘かに、自覚なしに彼の魅力を感じているのかもしれない。
だが、わたしは本当に心から大原浩一常務を愛しているし、惹かれ、魅かれてもいるから、彼、青山一也には万が一にも落ちる筈はないのは分かっているのだが…
お酒の力は強いのだ…
そしてわたしはお酒には弱いから…
しっかりと予防線を張っておかなくてはならないのである。
そしてもうひとつ…
彼は将来の大原常務とわたしの強力な武器、手駒、秘密兵器となり得るはずだから…
無下にはできないのであるから。
そう…
なぜか心が、そんな彼、青山一也に対して警戒警報を鳴らしていたのである。
別にさほどタイプというわけではないのであるが…
ただ、目の前にして感じてくる彼の清潔感と、その元彼との共通点が、軽々しさを上回ってきているのかもしれない。
あともうひとつ…
わたしはこの前まで日本の政界、経済界の魑魅魍魎といえる様な存在達が跋扈している銀座のクラブでホステスとして働いていて、そんな精力的な男達に対しての免疫力は十分にある筈なのであるが…
この彼の様な若々しい野心家との免疫力が無い、いや、無かったといえるのだ。
せいぜい、彼、大原浩一という存在が、最近では唯一の若さといえたのである…
だから、こうした不惑さを感じているのかもしれない。
あ…
あと…
若い野心家という魅力も、今のわたしの心を惹きつけてきているのかもしれない。
だから、弱いお酒を迂闊には飲めないのだ…
「ええ、飲まないんですかぁ?」
と、彼は残念そうに言ってくる。
「ええ、常務が戻るまでは酔う訳にはいかないし…
それに、万が一ほろ酔いになってしまって青山さんに口説かれないようにもしないとね」
だから、わたしは敢えて、ストレートにそう答えたのだ。
「え、あ、それは複雑だなぁ」
そう、なぜかわたしの深層が、彼を無下にはできないみたい…
それだけ秘かに、自覚なしに彼の魅力を感じているのかもしれない。
だが、わたしは本当に心から大原浩一常務を愛しているし、惹かれ、魅かれてもいるから、彼、青山一也には万が一にも落ちる筈はないのは分かっているのだが…
お酒の力は強いのだ…
そしてわたしはお酒には弱いから…
しっかりと予防線を張っておかなくてはならないのである。
そしてもうひとつ…
彼は将来の大原常務とわたしの強力な武器、手駒、秘密兵器となり得るはずだから…
無下にはできないのであるから。