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第3章 中学2年

夏休み前、いつものように僕が部活を終え家に帰ると、妹もいつものようにゲームをしている。

「お兄ちゃん、好きな人いるの?」

と妹が突然聞いた。僕は、妹とそういう話をしたことがないので、平静を装い、

「まー、いることはいるけど……。」

と言うと、妹は、

「ふーん、いるんだ?どんな人?」

と言うので、

「普通の人だけど……。」

と言うと、

「写真の人?」

と妹が聞いた。

「写真……?勝手に見たのか?」

と、聞くと、

「だって見えちゃったんだもん!」

と言った。

「自然に見えるわけないだろ!引き出しに入れてあるのに!」

と僕がキツメに言うが、気にした様子もなく、

「美人じゃん!胸ないけど!」

と言った。

写真というのは、クラス対向のスポーツ大会で、写真部が撮った写真のうち、「欲しいのあったらあげる。」と言われた写真を3枚もらっていた。顔だけのもの、上半身だけのもの、全身が写っているもの。顔だけのものは、出来るだけ良いのを選んだ。後の2枚はほとんど残り物だったが「余ってるからあげる。」と言われてもらった。

確かに彼女はスラッと背が高く、美人だが胸はなかった。スレンダー美人に多いパターンだ。

僕は、

「お前だって好きな人いるだろ?」

と言うと、

「いるよ!私、お風呂入ってくる!」

と言うと、ふて腐れた様子で部屋を出ていった。



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