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ヌードモデルかんさつにっき

第3章 ショーツ

いよいよブラジャーが外すときが来た。
ショーツだけでベッドに仰向けの自然な寝ポーズをとるように指示された。

ショーツ一枚ということは、私としては、ハダカと同じ意味だ。

だって、補正機能のあるブラジャーとは違い、
密着する薄い布でしかないショーツは女体のシルエットを変えない。

裸身の造形の本来の美しさを鑑賞したいなら、パンツがあってもかまわないはずだが、

芸術としての人体表現としては、人工のモノがない完全な自然体を描く必要があるから、ヌードモデルはパンツまで取り去るのだ。

──「鑑賞」が始まった。

昼間のゼミは冷静な「観察」だったが、
いまの視線は正直、嬉しい。
すごく恥ずかしいけど、嬉しい。

彼もわかっているのか、ベッドに仰向けになった私に手を触れてこない。

これ、視姦だわ──

「恥ずかしいよぉ」
口ではそう言うけどね。

じゃあ、と裏返しを指示された。

これで恥ずかしくない──わけがない。

白いショーツのお尻。

レオタードに包んで、かっこよくなったお尻なら、しっかり見てほしいけど、普通のショーツだと、ちょっとね……。

テニスとかのフリフリのアンダースコートとかなら、かえって開き直れるかもね。

パンツがかわいい、と言いながら、彼は私の視姦を続けた。

昼間の緻密な「観察」と、いまの直情的な「視姦」。

からだのラインに視線を浴びるという点では両者に差はないが、

いまの一部が隠れた裸身でも見る者は感動するという事実を受け止めると、

単なる人体観察のために女性を一糸まとわぬ姿にする必要性について、あらためて疑問を持ってしまう。

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