
もう推しとは言えない *番外編更新中
第11章 文化祭
「…うん、分かった。絶対勝ってね?」
「それはどうかな…まぁ、頑張るわ。」
「うん、頑張れ!ポチ。」
「…そんな感じでさ、応援しててよ、お前は。多分、勝負は午前中だと思うから…田口のことだし早く決着つけたがるだろ。」
「もちろん…ポチのこと応援してるね。」
ん、とポチは頷いて…小さく微笑んだ。
…でも私も、何だかんだ、ポチが野球プレーしてるところ見た事なかったから(お手本みたいなのはあったけど)、少し楽しみではある…。
睦人の自分本位な提案にはうんざりだけど。
「…オープニングセレモニー終わったら、肩慣らししに行こ…じゃないと俺、肩壊れるわ。」
「なんかごめんね…私のせいで、ポチが巻き込まれて。」
「良いよ。ここで勝てば、田口もお前に強引に迫ったり出来ないだろ?」
「うーん…そうだといいな。」
「俺がそうさせる。…お前は、俺の事応援してて。」
ポンポン、と私の頭を撫でたポチは…フッと小さく笑みを浮かべたのだった。
