
もう推しとは言えない *番外編更新中
第13章 友達の好きな人 ※由香里side
なんて、そんなことを思えば思うほど、誰か来てしまうらしい…。
「吉岡。って、あ…椎名もいたのか。」
「すみませんね、私もいて。真帆と二人きりになりたかったんですか?」
「んなこと言ってねーだろうが。聞いてくださいよ、澤畠先生〜…こいつが勝手に被害妄想してくるんですよ。」
「えっ…、」
ちょ…澤畠先生もいるなんて聞いてない!
でも、教室の入口側にいた澤畠先生…。
目が合う前に、私は真帆の背中に隠れてしゃがむ。
「ちょっと、由香里?どうしたの?」
「っ…動かないで、真帆!…九嶋先生のバカ!」
「あぁ?お前、何だ急に…。」
「澤畠先生もいるなら先に言ってくださいよ…」
うぅ…こんな格好、澤畠先生に見られたくなかったのに!
会いたいとは思ってたけど…よりによって、こんな時じゃなくても。
「…お前の事情なんか知るか、ボケ。」
「真帆、この人すごい口悪いよ…大丈夫?」
「いつもだよ。」
「はぁっ?おい、吉岡…」
「いつもですなぁ。まぁ、それが九嶋先生らしくて良いと思いますけどね。」
ふっ、と小さく笑った澤畠先生。
澤畠先生に言われると、九嶋先生もダンマリ…。
