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恋人は社長令嬢

第5章 我慢するのはお互い様

亮介が出張で大阪へ行って、一週間。

トラブルが起きてやってきた亮介は、まだ後片付けに追われていた。

夜遅くに、泊まっているビジネスホテルに、帰ってくる毎日。


「えっと、鍵は…」

亮介は、今フロントから渡された鍵を、ポケットから出そうとした時だった。

自分が泊まってる部屋の前に、見覚えのある女性。

「那々香?」

顔を上げた女性は、やっぱり那々香だった。

「亮介さん…」

「…どうして?ここに?」

「会いたいって気持ち我慢してたら……限界、超えちゃった。」

亮介は、慌てて部屋のドアを開けると、那々香の腕を引っ張って、部屋の中に入れた。

「亮介さん?」

亮介は、バタンと戸を閉めると、近くの壁に、那々香を押し付けた。

「何で連絡もなしに、こんなところまで、押しかけてくるんだよ!」

「ご、ごめんなさい。」

亮介は次の瞬間、那々香をきつく抱き締めた。

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