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第3章 貴方は美しい2

何が悲しいのでしょうか。

噛まれた下唇を。
僕のキスで元に戻したい。

そんな想いはNGです。
決して、僕からは言えません。

でも。
潤んだ貴方の瞳に映る僕は。

真剣な眼差しで貴方を見つめています。

切ないのです。
分かって下さい。

泣きそうな貴方以上に。
心を涙で濡らしています。

好きです。
好きです。

そう、貴方に。
告げたいのに。

貴方の瞳に映る僕は。
僕のままで。

怯えた子犬の表情で。
ただ、貴方の言葉をまっています。

少しで良いのです。
いや、言葉もいらない。

下唇を噛む歯を離し。
解放された優しい輪郭を。

僕に見せて欲しい。
嫌になるくらい。

美しい貴方を。
ジッと、見つめていたいから。

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