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狐面は夜に咲く

第1章 とある屋敷の庭にて

一応思考してみた。少女なりの思考である。



その① 狐面という植物?

しかし聞いたことも見たこともない。地面に咲いているかのように見えるため、考えた線なのだが――しかし狐面は地面と繋がっているわけじゃないらしい。ふつうに持ち上げられた。


そして、かぶってみた。


一度つけたらはずれなくなる――なんてことは起きず、呪いの面とかではないらしい。少しだけチッと思った理由を、深くは考えないでほしい。



その② 変態だった

人には特殊な性癖があるという。趣味趣向で、この屋敷の住人だった、者が狐面を庭に並べた?



その③ 怪奇現象

このような事態をふつうに考えれば怪奇現象だ。狐面が庭に咲いているなど、異常である。



その④ そろそろめんどくさいわね



少女がうーんと考え込んでいると、ギギ……とどこかで立て付けの悪い扉が開く音がした。それは心を浮き立たせる神秘の音。



「この狐面は持っていきましょう、さあ待ってなさい私のオアシス!」



狐面を小脇に抱えて、音のした方へ嬉々としながら向かう少女であった。



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