👿サディステック👼エンジェル
第5章 夜明けのコーヒーとは…
「悠――――コンビニでいいからさ…コーヒー買って…一緒に飲まない?」
「は?コーヒー?」
俺は桃が何を言い出したのか分からず首をかしげる。
すでに車でホテルをでて――――…人気のない道を走っている。
何件かコンビニは見たが…コーヒー飲みたかったのか?
「――――じゃぁ、次のコンビニで買おう」
次のコンビニはすぐに見つかり、俺たちはドリップコーヒーを買い――――車に戻った。
駐車場でコーヒーを飲みながら…ボーッとした時間が流れる。
「――――これが…夜明けのコーヒーってやつ?車から見たこの風景――――…一生忘れない…」
「夜明けコーヒーって…古いなぁ………」
ちょうど――――コンビニの駐車場から…朝日が昇るのが見えた。
コーヒーの香りが車のなかに充満する――――…。
「俺も――――忘れないかも…」
朝日が徐々に車の中に光を注ぎ始める…。
俺たちは――――コーヒーを飲みながら…手を繋いだ…
本当はキス…するのがロマンチックで最高なんだろうが…
ホテルを出た俺たちは…
手を繋ぐのが――――――――限界だろう。
「早く…大人になりたい…」
俺は…
桃の言葉を――――…コーヒーと一緒に飲み込んだ。