
大人の俺と子どもの私
第3章 栞の家族
授業参観当日。
朝、唯が「頑張って手あげるから見ててね!」って莉子ちゃんに言ってるのに対して、
「来たら怒るからね!!」って言ってる紗南。
珍しく大きい声出して厳重に忠告してくる。
…けどまぁ、行くよね。
そりゃね。
新米だけど、俺は“紗南の保護者“ですから。
5.6時間目が参観の時間。
莉子ちゃんと他の学年の子を担当してる先生と行く。
4年2組の教室を覗くとすでに算数の授業が始まっていた。
たしか出席番号は4番だったよね。
いた。
俺の存在には気づく様子もなく、真面目に授業を受けていた。
