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狂愛の巣窟〜crossing of love〜

第8章 【戻れないのなら一緒に乗り越えてください…】






「あの人ともするの?」って小さな声で嫉妬してくる一颯くんも可愛いよ。
しない、と言っても疑ってそうだけど指を絡めて恋人繋ぎにしたら嬉しそうに笑う。
単純なところが私も癒されるの。
キミはなくてはならない存在なんだよ。




今日は一颯くんが好きなショッピングデートです。
お互いコーディネートし合ったり、人がたくさん居るフードコートで食べたり。
まだ大学生の気分が抜けてないのかな?
私と制服デートしたかったっていつしか言ってたよね。
残念ながら実現は出来ないけど、自分の友達や後輩に堂々と紹介出来れば良いのに…とも。




そんな言葉を思い出しながら口元に着いたソースなんかを拭いてあげる。
学生デートっぽいことはなるべくしてあげたい。
彼氏が大好きな彼女を演じきれてるかしら。
パシャッと不意打ちで撮られて、見せてくれる。




「ノーマルで撮ってもめちゃくちゃ綺麗なんだけど?なんで?」




いやいや、キミに比べたら年相応だよ。
だから並んで撮りたくないんだけど無理やりツーショットで撮ってくる。
うーん、やっぱり親子だよなぁ。




「すみません、良かったらこのカメラでお写真撮っても良いですか?」




突然声を掛けられたのは首から一眼レフカメラをぶら下げている若い男性。
私たちがキャッキャ言いながら自撮りしてたからかな。
よくSNSで見るカップルを綺麗に撮って載せてくれるやつっぽい。
断ろうかと思ったけど一颯くんはノリノリで。
場所変えて撮ってもらうことに。




手を繋いで離さないの。
カップルと見られて嬉しかったのは私も同じだけど。
何枚か撮られてSNSに載せても良いか聞かれた。
二つ返事でOKしてしまう一颯くんに唖然とした。




「ねぇ、お友達とかにも見られちゃうよ?」




後でこっそり言うと、彼女だって言い切るらしい。
おいおい、私、大学にも迎えに行ってたし何人か挨拶したことなかったっけ?
あぁ、その時から彼女だって言ってたっけ。
そういや合わせてたかも。
いつかバレるのに。
違うよ〜義母だけどカップルに見られたからノリで撮ってもらった〜とか言って笑って誤魔化す方が良くない?







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