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主治医との結婚生活

第6章 弱い

私は お酒が 弱い。

本当は大好きなの。 
特に 甘めの 赤ワイン…

でも… あまりにも 酔うらしいので
母からは禁止されていた。

1度だけ… まだお付き合いしていた頃
奏真さんと外で食事をしていた時に
どうしても飲みたくなって
1杯だけ… とお願いした。

奏真さんは快く快諾してくれて 1杯だけ…
キールロワイヤルをお願いしたのだが…

そこから先の記憶は無いし、
その時から
奏真さんからもお酒を禁止されてしまった。


だから…
奏真さんが ワインを買って来てくれた時は
嬉しくて 嬉しくて
子供の様にはしゃいだ。

「良いんですか?! 飲んで…っ! 良いんですか?!」

ワインを高々と掲げ、涙目になって喜ぶ。

「お外じゃないからね。 お家だし。 
明日は僕もお休みだから たまには…」

奏真さんの首に抱きつく。
「ありがとうございます! 愛してます!」

私の言葉に 奏真さんは笑った。

「本当に お酒が好きだね。 」

「はいっ♡ 
でも 私って 酔うとそんなに酷いんですか…? 
人様にご迷惑をかけてしまう程…? 
自分ではわからないですが、母と奏真さんが心配するという事は、相当酷いのでしょうね…。」

しゅん としつつ
食器棚から2人分のグラスを用意する。

「…見てみたい? 動画でも撮っておいて
あげようか?」

奏真さんの提案に頷く。
「そうですね! 私の知らない私…。
興味あります!」

「じゃあ 酔いが回ってきたら撮ってあげるよ。」

奏真さんはどこか楽しそうに笑っていたが、
私は然程気にせず
久しぶりのワインに心を躍らせていた。

『乾杯 ♪』
グラスを重ねて 

どきどきの一口め…

「美味しい ♡」 頬を押さえて感動する。

「気に入った? 良かった!」

向かい側で一緒に飲んでいた奏真さんが微笑む。

「はいっ♡ とっても♡」

そう言いながら 私の体はすでに熱を持ち、
ふわふわと気持ち良くなっていた。

「もしかして… もう酔ってきた? 
相変わらず早いね…」

奏真さんは少し驚いていた。

「んー? そうなんですかねぇ?」

にゃははははは 〜 

よくわからないけど 何もかもが 楽しくなってきて 

それから… 人肌 恋しくなってくる。

私はふらふらと立ち上がって
奏真さんに抱きつく。


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