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碧い雨の夜に…

第4章 【感情的に……】






「縛られるの嫌?」




「いや、大歓迎、縛ってください………ちょっと待って、今の会話だけ聞いたらヤバい奴じゃね?俺!」




結局こんなオチになってお腹抱えて笑い合うの。
居心地良くて甘えてばかり。




「もういっそのこと、ずっと縛られてなよ」




「それがお似合いだって?それはそれでキツいな」




まだトロンとしてるお互いの目。
重ねてた手を退けたらまたグッと引き寄せてきた。




「ちょっ、近い近い」




「全然俺のこと男として意識してないんだろ?じゃ、こんなことしても?」




「ねぇ、お酒臭いよ?」




「おめぇもだろ」




「確かに、ハハハ」




「一生、一方通行なら……俺、足掻いても良い?」




「足掻くって?」




「一生縛っても良いから今だけ理世が欲しい」




「は?何それ」




「明日には完全にリセットされるから絶対に秘密にするから今は理世も俺に乗っかってくれない?」




「え、どういうこと?」




「男として意識してないけど俺のこと好きなんでしょ?」




「人してね?あとダンスも」




「好き?」




「ん、好き」




ダメだな、ずっと禁酒してて今日久しぶりに飲んだから酔いが回るの早いかも……ってこれは言い訳だよね。




「じゃ、俺とキス出来る?」




「は?無理無理」




「じゃ、意識してるじゃん、何とも思ってなかったら出来るくない?」




「いやいや、友達とキスしないでしょ?」




「何で?フレンチキスだよ?挨拶みたいなもんでしょ?」




「ねぇ〜酔い過ぎだよ、近いって」




身体ごとグイと押して距離を取る。
酔ってるから力も弱い。
すぐにまた縮まる。




「俺とキス出来る?それくらいは好きで居てくれてる?それだけ聞かせて」




「離してってば」




「キス出来るかどうか言わなきゃ離さない」




腕引っ張られて動けないんですけど。
色々と近いし、何なのこの展開は。
水飲ませてとっとと自分の部屋に帰れば良かった。




「わかった、言うからとりあえず離して?痛いから」




「あ、ごめん」と力を緩めてくれただけで距離感は変わらず。
どうしようかな、この場は正直に伝えた方が良いんだろうけど。








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